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【奈良豆比古神社】境内に佇む心が安らぐ神聖な巨樹とは?

奈良県奈良市にある奈良豆比古ならづひこ神社―そこには天然記念物である、くすの巨樹がひっそりと佇んでいます。

神社や巨樹の名前を知っていても、それがどんな存在かを知らない人も多いのではないでしょうか。

それもそのはず、この巨樹の素晴らしさは、今日に至るまであまり報じられていません。

巨樹は、手を触れるとまるで生きているかのように共鳴しあえ、神聖で心が安らぐパワーがあるのです。


今回は奈良豆比古神社と樟の巨樹に焦点を当て、知られざる神社の魅力をお届けします。

芸能の神様!奈良豆比古神社の由緒や行事

パワースポット奈良豆比古神社の由緒

創建年 宝亀2年(771年)
御祭神 平城津比古大神・施基親王春日王
ご利益 諸芸上達
歴史
この辺りは、元々光仁天皇の父である施基親王志貴皇子)が、病気療養のために隠居していた場所です。
その施基親王を祀ったのが、神社の始まりとされています。

延喜式神名帳」に名を連ねる式内社で、「大和国添上郡奈良豆比古神社」の後裔社。また、かつては奈良坂春日社とも呼ばれていた神社です。

翁舞は能楽の原点

社殿に飾られている翁舞の絵

狂言

翁舞とは?
秋祭宵宮(10月8日夜)に奉納されている「翁舞」は、能楽の原点であり、平成12年に国と県の無形文化財に指定されています。

御祭神である春日王の病気平癒祈願のため、王子である浄人が舞を奉納したことが起源です。
現在は、天下泰平・国土安穏・氏子繁栄・豊作祈願をする舞となっています。

翁をはじめとする25体の舞楽面は、現在奈良国立博物館に保管中。



感動と圧巻の渦!奈良豆比古神社の神様の巨樹

奈良豆比古神社御神木・樟の巨樹

奈良県指定天然記念物(昭和26年11月1日)
樹齢 1000年以上
土際の幹回り 約12.8m
目通り幹回り 約7.5m
樹高 約30m
枝張り 約20m
地上7mのところで分岐しており、北側は約3m、南側は約4mのところで、さらに二分岐しています。
神霊が宿る木・御室木とも呼ばれているのが樟の木です。

樟の木は本殿の裏側にあります。

行き方ですが、写真の張り紙にあるように、社殿の門を左側へ進んで細い道を歩いてください。しばらくすると開けた場所にでますので、その先に巨樹が立っているのがわかると思います。

明らかに他の木とは違い、とても存在感があり、神々しいオーラを放っている巨樹です。

神様が宿っていて、訪れるものを拒まず、優しく受け入れてくれるような温かさが感じられる大木。この巨樹は間違いなく『生きています』

神主さんが、男性は右手、女性は左手を木につけ、もう片方の手を腰に置くと、この巨樹の『気』を感じられると教えてくれました。

確かに手を合わせると、巨樹と一体になったような気がして、木のエネルギーが流れてくるようでした。

柔らかく強いエネルギーをいただいて、心が満たされたような気持ちになれますので、ぜひ試してみてくださいね。

神主さん曰く、樟の巨樹はあまり宣伝していないので、知っている人だけが近寄れるそうです。

以前はあまり整備されておらず荒れていたそうですが、現在は階段等ができていて、周辺は散策路になっています。

散策路を進むと、そのまま境内を一周できますので、ぜひ心地よく神聖な空気を感じながら歩いてみてくださいね。

気立ての良くて優しそうな神主さん。決して巨樹を神社の宣伝に使わず、大切にされている姿勢に感銘しました。

この場を借りて、お話ししてくださったお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

筆者
筆者

神主さんの想いを大切に。訪れる際は巨樹周辺を汚さず、静かに鑑賞しましょう。

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静寂な雰囲気に包まれた奈良豆比古神社の拝殿と本殿

本殿

拝殿

御祭神
 施基親王(志貴)「田原天皇・春日宮天皇
中央 平城津彦神(産土の神)「奈良豆比古神」
 春日王「施基親王の第二皇子」

御朱印

翁舞が奉納されるのは、こちらの拝殿になります。残念ながら本殿には入れません。

春日大社と同じ朱色が特徴的な本殿ですね。

静寂に包まれた、凛とした雰囲気が漂う場所です。パワースポットと呼ばれるだけあって、とても心が安らぎますよ。

平日にも関わらず、朝から参拝者が訪れており、神主さんも忙しそうにされていたのが印象的でした。

注目は高札場!そのほかの境内の様子

弁財天神社
御祭神 市杵嶋姫命
ご利益 芸能の神

恵比寿神社
御祭神 事代主命
御利益 商売繁盛

毘沙門天王社
御祭神 毘沙門天
お社中に石仏が安置されています。

石瓶神社
御祭神 石の神

大福神社(福の神)(写真なし)
御祭神 大国主命

宝亀殿

戦没者慰霊追悼碑

手水舎

高札場
高札場とは、町民が守らなければならない事柄を、奉行所が触れ所の回達の外の木札に書き、各所に掲示板を作って立てたものです。
例として、喧嘩口論の禁止や毒薬や、にせ薬の売買禁止などが掲げられていました。
境内の東側にあり、京~奈良街道に面して立てられていた高札場です。

年季が入っていて、当時の人々の暮らしぶりが垣間見ることができます。

まとめ

奈良豆比古神社は、気品のある優しい神主さんがいて、参拝者が安らぎを感じられる神社です。

神主さんの巨樹を大事にする姿勢が、神社全体に和やかな雰囲気を与えています。

そして、そんな謙虚で温かな心遣いに応えるかのように、神聖な魅力と存在感を放っているのが樟の巨樹です。

そんな巨樹をいつまでも大切にしていきたいですね。

奈良豆比古神社
住所:〒630-8104 奈良市奈良阪町2489
TEL:0742-23-1025
受付時間:09:00~17:00
休日:なし
参拝料:無料
アクセス:JR奈良駅/近鉄奈良駅から青山住宅行バス15分 『奈良阪』下車徒歩3分
駐車場:なし
ホームページ:なし

主な行事:10月8日 翁舞